スミスの租税原則

 スミスの有名な租税原則。「能力にできるかぎり比例」という部分をとりあげれば応能負担説ととれる。一方で租税を「国家の保護」を根拠とし、不動産の管理費に例える部分では応益負担説であるともとれる。

 

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1.すべての国の国民は、政府を支えるために、各人の能力にできるかぎり比例して、つまり各人が国の保護のもとで得ている収入にできるかぎり比例して、税金を負担するべきである。大国の国民にとって政府の支出は、不動産の共同所有者が各人の持ち分比率にしたがって支払わなければならない管理費に似ている。

 

2.各人が支払う義務を負う税金は、恣意的であってはならず、確定したものにするべきである。支払いの時期、支払いの方法、支払い額のすべてが納税者に、そしてすべての国民に明確で分かりやすくなっていなければならない。そうなっていない場合、納税義務を負うものはみな、多かれ少なかれ徴税人に支配されることになる。徴税人は気に入らない納税者には税を重くできるし、あるいは税を重くすると脅して、賄賂を強要できる。

 

3.どの種類の税金も、支払の時期と方法がともに、納税者にとって便利である可能性が高いものにするべきである。土地の地代か住宅の家賃に課す税金は、地代や家賃が通常支払われる時期に徴収すれば、納税者にとって便利である可能性がとくに高い時期、支払いができる可能性がとくに高い時期に納付されることになる。贅沢品などの消費財に課される税金はすべて、最終的に消費者によって負担され、一般に消費者にとってとくに便利な方法で支払われる。商品を買うたびに、少しずつ支払っていく。消費者には買う自由も買わない自由もあるのだから、そうした税金で大きな不都合を被るとすれば、それは本人の責任だといえる。

 

4.どの種類の税金も、国民から支払われるか国民の受け取りを減らして徴収する金額と、国庫に入る金額との差ができるかぎり小さくなるように設計するべきである。