相続税の矛盾

相続対策で一番効率がよいものは何か。

 

1.教育にお金をかける

2.会社を継がせる

3.資産を継がせる

 

2は会社を継ぐ能力も必要となることから、必然的にそれに伴う教育費も含まれることになるだろう。つまり2は1も含む。3の場合も財産管理の知識は必要だろうが、会社経営程ほどの知識は必要ないだろう。税制面で言うと1は課税対象とはならない。2は株や事業用資産が課税対象となる。3は相続した資産が課税対象となる。1、2は承継者が直接リスクを負うこととなるが、3はリスクはない。

 

どれが一番効率がよいだろうか。教育にお金をかけず、子が自立できなければ、子の生活費負担まで発生する。子の老後までの面倒を見ようとすると、お金はいくらあっても足りないだろう。税制的にも、社会的にも1の対策が望ましいのではないだろうか。ただし、いざ相続対策となった時点で考えても教育には一足飛びに対応はできない。これが唯一の難点である。

 

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 金持ちの親が子供に資産を残してやりたいと思ったら、いろいろなやり方が可能だ。たとえば資産を教育費に投じて、公認会計士の勉強をさせ資格をとらせることができる。あるいは事業を興して跡を継がせることができる。あるいは信託基金を設定し利息や運用益が入るようにしてやることもできる。どの方法をとっても、何もしてやらない場合より子供の収入が増えることはまちがいない。だが、第一の方法では本人の能力による収入、第二の方法では本人の働きによる利益とみなされるのに対し、第三の方法では相続財産による収入とみなされるだろう。しかし、この三つを区別するまともな根拠があるとは私には思えない。それに、自分の能力や才能で生み出した富は好きにしてよいし、自分が築き上げた富が生む利益も好き勝手にしてよいが、富を子供に譲るのは認められないというのは、つじつまが合わないではないか。ミルトン・フリードマン「資本主義と自由」村井章子訳p298-299)