国債と租税

資本論では本格的に税制や財政について論じてはいない。しかし、ちょっとした話の横道にも物事の本質を突く、鋭い指摘がある。国債発行のツケは消費税へと形を変え国民が背負うことになる。マルクスの指摘では消費税を指しているが、法人税でも理論的には製品価格に税が転嫁される。国の借金はどういう意味を持つのか。古くて新しい問題であり、今なおその意味は確定していない。

 

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 国債の裏づけとなるのは国庫収入であり、これで国債の毎年の利子と償還を保証しなければならない。そこで近代的な租税システムが、国債システムを補うために必要不可欠となる。国債を発行することで政府は特別な支出をまかなうことができる。その際に納税者はすぐには何も感じることはないが、その帰結として増税が必要になる。他方では次々と借り入れた国債が累積していくとまた増税が必要となり、そのため政府は新たな特別支出を行う際にはいつも、ふたたび国債を発行せざるをえなくなる。

 近代的な財政の基軸となるのは、生活必需品への課税であり(その結果として生活必需品の価格が高騰する)、そのために近代的な財政はみずからのうちで自動的に累進していく萌芽をそなえているのである。過大な課税は偶発的な出来事ではなく、むしろその原則である。(資本論第1巻IV中山元訳p462)